この日(2/19)は、第7回インバウンド推進ワークショップに参加してきました。
会議ではありますが、外国人向けサービスを提供しているホテル・旅館・アクティビティ関係者、市町村関係者などが集い、様々な意見交換をする場になります。
国内人口が減少していく中、国の施策としてもインバウンドの受け入れを大きなテーマにしていますし、全国各地でインバウンドへの取り組みを積極的に展開しているのが現在の状況です。
一方で、2018年度から日本版DMOがスタートし活動全体の前提が「インバウンド」にシフトしているという現実があります。
(ちょっと専門的な話ですが...)
そのため、先だって開催された 戦略会議 とこのインバウンドWSと、内容がかぶってしまうこともいくつも出てきています。
今回、いくつも議論や情報共有が行われましたが、このテーマが一番大きい内容でした。
訪日外国人旅行客の増加と、八ヶ岳エリアの現状
訪日外国人旅行客は年々増加しており、2018年では3000万人を突破したことがニュースにもなりました。
一方で、八ヶ岳エリアではどうか…。それが今回の大きなテーマの一つでした。
全国にたくさん外国人旅行者がいらしているというニュースは聞くことがあっても、八ヶ岳エリアについては正直、そこまで急増しているという感じがありません。もちろん、多くのホテルや観光施設が外国人旅行客に利用していただくために台湾などアジア圏を中心に営業活動をし、そのため毎年多くの外国人旅行客が八ヶ岳を訪れくださっているという現実はありますし、八ヶ岳のエリア内でも外国人旅行者を見かけることは増えています。ですが、「わんさか」いらしているいうわけではありません。
例えば、私が白馬にスキーに行くと、本当にたくさんの外国人の方が滑っています。まさに「わんさか」です。
3分の1? レストランに行くとそのくらい外国人の方がいらっしゃいます。
(白馬の場合は、圧倒的にオーストラリアからいらしている方が多いのです)
とはいえ、「わんさか」ではないからダメなのかというとそういうわけではありませんし、だからと言って、少なくてもいいわけでもありません。
このあたりは「良い / 悪い」ではなく、「八ヶ岳としてどういう方向に持って行くのか」ということになろうかと思います。
以下、今回の中で議論されたりした内容からいくつかのポイントを紹介したいと思います。
(1)外国人旅行者が増えている中で、八ヶ岳にももっと来ていただけるような活動が必要。
これは非常に当たり前のことです。
一方で実は、八ヶ岳観光圏ではこれまで 「海外向けプロモーション」ということはあまりやってこなかったという経緯があります。やってこなかったというと語弊がありますが、プロモーションよりも「受け入れ側の体制作り」ということをずっと積み重ねてきました(もちろんここの宿泊施設や観光施設では個別に海外プロモーションをしているところはたくさんありますし、その方々も八ヶ岳観光圏にスタッフとしてご参加いただいています)。
昨年、アドバイザーを務めてくださっていた清水先生がこのようにおっしゃいました。
「八ヶ岳観光圏は、外国人旅行者の受け入れに関してはこれまで、受け入れ体制づくりを着々と進めてきました。そろそろ活動のベクトルを外側に向けて、いよいよ八ヶ岳のプロモーションという形で次のフェーズに進まないといけません」と。まさにその通りなのだと思います。
また、こんな厳しい声もありました。
「八ヶ岳には外国人旅行者が来ない、来ていない」と言いながら、本気で受け入れる気持ちが(関係者や事業者に)あるのか、と。
(2)八ヶ岳が外国人旅行者にとってどんなところなのか、明確なメッセージを伝える必要がある。
八ヶ岳を海外にプロモーションしていくに際して、これもとても重要なことです。
海外からいらして八ヶ岳でビジネスをされている方からは、
- パッと見で「これが Yatsugatake エリア」と伝わり、「ここに行きたい!」と思ってもらえるようなわかりやすい形が必要
- これらは別に新しく創り出す必要はなく、すでにあるものをもとにして「わかりやすく表現」する形でも可能
- そのわかりやすさは、来てもらいたい国の人に合わせる必要がある
というお話しもありました。
言ってみれば、八ヶ岳のリブランドです。
「澄み切った自分に還る場所 ~1000mの天空リゾート~」という現在のコンセプトはありますが、これはどちらかというと国内の人向け。
これとは別に、海外に向けて「八ヶ岳はこんなところだよ!」というブラントが必要ということです。
(3)尖ったアクティビティ
八ヶ岳に来るとこんなことができますよ! 八ヶ岳ではこんなアドベンチャーが体験できます!
ということです。
これまで八ヶ岳観光圏でも色々な体験プログラムを組み合わせてモニターツアーなどを開催してきました。
(2)に関係しますが、そのメッセージの中に「こんな体験ができる!」ということを伝えることがとても大切になります。
もちろん八ヶ岳では色々な体験ができます。ですが、できる体験をただ風呂敷に広げるだけではダメですので、まずはその中から尖ったものをしっかりと伝えるということになると思います。
(4)数を売る必要はあるのか
これはともすれば現状への「言い訳 」に聞えてしまう可能性もありますが、とても大切な考え方でもあると思います。
実際、会議の中である方がこうお話しされました。
外国人旅行者が非常にたくさんいらしている地域に行ってきました。
本当にたくさんの外国人の方がいらしていました。受け入れ側の地域の方々にお話しを聞いたりしました。
そのような中、では自分の地域はあのようになりたいかと言われると「なりたいとは思わない」というのが正直な感想です。
来ていただくのは必要ですが、数を売ればいいわけではないと感じました。
「観光地域づくり」という観点からするととても大切な意見だと思います。
結論から言えば、外国人旅行者に来ていただくようにするのは「地域を良くするため」だからです。
たくさんの旅行者に来ていただいているのに地域にとって良くない、誇りに思えない…のではいけません。
観光地域づくりに関する考え方、また、観光地域づくりにおける外国人旅行者の位置付けについてはこちらで紹介しています。
「数を売ればいい」わけではない、でも、「(地域が幸せになるぐらいの)ある程度の数は確保しないといけない」ということです。
あくまでも「地域が主導権を持って」このことに向かい合い、取り組んでいかないといけないといことです。
では、八ヶ岳エリアは、どの地域の方にどのぐらいの人数来ていただいたら幸せになるのか…。それも精査しないといけません。
毎度ながら、私にとってはどの話も本当に勉強になることばかり&調べないといけないことばかりです。
前回も書きましたが、もう、目の前のことで精いっぱいなのが情けないぐらい...
本当はもっともっと観光のあらゆるところに目を届かせないといけないのに。まだまだ力不足のマネージャーだと痛感する毎日です。
八ヶ岳エリア、素敵でしょ♪